まず、「どのポジションで、どんな仕事をしたいか」を明確にした上で、転職先企業の選択の際に吟味したいのは2点。ひとつは従業員数に基づく企業規模です。外資系といっても150名以下なら福利厚生面などでは日本の中小企業と同じと考えましょう。一方、直接給与(キャッシュコンペンセーション)と特に仕事のやりがいやチャンスの広がりは期待大です。新規提案や意思決定などマネージメントに関わる機会も多いはずです。

もうひとつは、人事や経理など非営業部門での転職では、業界を絞り込むのに会社の構成要員にも注目します。たとえば、IT業界はエンジニア、化学薬品業は医療従事者が中核です。一般的に前者は迅速な決定、後者は正確性といったように、仕事観や意思決定の価値観などに違いが見られます。自分がどんな集団の中でなら力を発揮できるかを吟味します。就職の決め手に、「会社とのフィット感」は不可欠です。

面接対策は履歴書の作成から始まっています。2ページ以内にまとめ、必要に応じて職務経歴書を添えましょう。経歴に空白期間がないように発生年だけでなく月まで明記。また、職務経歴書の実績には具体的な数値を入れることで読む人の目の信頼を売ることができるでしょう。面接では将来的な会社への貢献度を判断しますから、人となりや資質を示す「自分の引き出しの多様さ」を短時間でどれだけ示せるかが勝負。「事前に提示するデータ量」も重要なのです。また、記載事項に関しては内容を裏打ちできるような具体例を予め準備し、つっこんだ質問にも対応できるようにしておきましょう。

面接官は、応答の対応や動作から、誠実さやコミュニケーション力も見ています。例えば、失敗談はどう対策を取ったかまで、うまく簡潔に話せれば、人柄や強さ、危機対応力を伝えることになり、決して減点とはなりません。むしろ実務では予測可能なことばかりではありませんから、「失敗経験はむしろチャンス」ととらえましょう。

本当は秘密にしておきたいところですが、私が二次面接でよくする質問があります。希望ポジションの職務内容をご本人の言葉でまず説明してもらいます。さらに、自分の経験や希望が私どもが求める内容にどう合い、どう合わないかを聞くこともあります。返答の仕方から、職務に対する理解度や企業研究具合が分かり、熱意が測れます。もちろん、十分な理解が望ましいですが、不十分な場合でも、臨機応変な対応力や考え方の判断材料として大いに参考になるからです。


プロフィール
ダッソー・システムズ株式会社・人事ディレクター
竹内 則子氏

大学の英文科を卒業後、米国NPOである教育交流団体に8年間勤務。うち2年間のニューヨーク本部での任務の後、1984年、シティバンク東京支店に転職。人事部でマネージメントに対する人材データの作成、新人教育、外国人スタッフのVISA/福利厚生、また、組織統合/再編など多岐にわたる人事マネージメントプロセスに関わる。その後ワシントンDCにある国際通貨基金(IMF)本部人事で、キャリアデベロップメント部門のプロフェショナルスタッフとして勤務する。この間にジョージ・ワシントン大学でHRの修士号を取得。2000年に帰国以来外資系日本法人勤務を経て、2003年より現職。
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